「男たちの挽歌」感想

映画を見たので感想を書く。

 

 

見た映画

男たちの挽歌

字幕版がプライム特典なのでそちらで見たが、吹替版では主人公の実弟井上和彦さんが演じていると見て大喜びしたのでそのうちレンタルするでしょう。 私は大ファンなので喜んで何でも食べるが、理想に燃えるもうまくいかない現実に荒れる青臭い役柄には貫禄がありすぎなのではないか?どう? でも生真面目がゆえに兄を許せず復讐に取りつかれて暴れる井上和彦は最高。

 

あらすじ(Wikipedia

香港。ホーは三合会の幹部であることを学生である実弟・キットに隠しながら面倒を見ていた。 闘病中であるホーの父がホーを呼び出し、キットが警察官を志望していることを伝え、足を洗うよう懇願する。

最後の仕事と決めた台湾での偽札取り引き現場は、何者かの密告によって警察に押さえられ、ホーは居合わせた弟分のシンを逃がして自分だけが罪をかぶる。 偽札取り引きが不成立に終わったことで、ホーの父が制裁のために射殺される。

このことでキットは尊敬する兄が三合会の組員であることを知る。 ホーのもうひとりの弟分で、ホーと親しいマークが怒り、単身で報復に向かうが、返り討ちに遭って、歩行の自由が利かない体になる。

男たちの挽歌 - Wikipedia

wikiに乗ってるあらすじの引用ですがちょいちょい違う印象。 違うというか劇中で「そう読み取れるが明確に表現されてない」部分が多いというか。 ホーの父の実際の死因は包丁で刺されたことのように見えるし襲った目的が本当に制裁のためだったかも分からない。 ただマフィアのいざこざに巻き込まれて殺されたという事実だけがある。

あとマークがキレたのは実弟とは関係なくホーが相手にハメられたと確信して組とは関係なくお礼参りに行って単身でほぼ無双したが最後に足を撃たれたって感じなので返り討ちとはまた違うんじゃないか。 真実は君の目で確かめてくれ。

 

感想文

ロングコートにスーツで二丁拳銃でイケイケになっているのが主人公では……ない!? それはマーク(主人公の弟分)でこの人がブラックラグーンの張さんのモデルなんすね。 かっこええわけです。

紙幣を燃やしてその火で煙草に火を付けているのがおそらく本編とは何ら関係ないシーンで大喜びした。 なんだあれは……PVみたいな? ただのかっこいいシーン!

勝手にカラっとしたガンアクションやりたい放題爆発映画と思っていたが、主要人物のジメっとした激重感情で殴り合う男たちの泥臭ストーリだった。  90分なのに長く感じたのは激重感情を受け止めるのに疲れたからだろう。

ストーリーの進行が……ちょっと分かりにくかったので視聴後にいろいろ調べて流れが把握できた。 展開が早いというか人物がどこで何を目的に動いているかは眺めているだけだと置いて行かれるけど、人物の心情描写はくどいくらいで分かりやすい。 

 

主軸はマフィアの兄弟分と実の兄弟との関係性という対比で、主人公がマフィアやめたいけど周りが許してくれねー状況でずーっと進むが実の弟がめちゃくちゃ兄を恨んでいるので(仕方ないけど)なんかこの子はずっと怒っとるなという印象が強い。 兄さん君のためにマフィアやめるって言って堅気の仕事頑張っとるのに君が認めてやらんかったら誰のための贖罪ですか! あと彼女の誕生日に家で仕事するのをやめなさーーい!!

ホーが出所してから紹介されて務めることになるタクシー業のキンさんが善人。 自分も前科持ちで深くは聞かずに前科持ちたちを集めて雇ってくれる。 ホーの勤め先として狙われて襲われたときも「歯向かうな、歯向かったらあの頃に逆戻りだぞ!!」って言ってくれる。 職場ぶっ壊されて怪我をしても。 これは男同士の信頼というか、「怒りに身を任せて破滅の道に戻るな」という思いからくるものを感じてよい。

最後に実の兄弟が和解できそう、というところ(ここは共通の敵との銃撃戦の真っ最中なので生きるか死ぬかでもある)でマフィア時代の弟分マークが宿敵に撃ち抜かれる。 そこに至るまでまだ迷いのあったホーが、マークを殺されたことで堅気としての精算を選ぶのではなく勝ち逃げ寸前の敵を撃ち殺すという破滅の道へ戻る選択をしたのが、はーーーーーーってなる。 そのための銃を差し出したのが他でもないマフィアであることをずっと憎んでいた実の弟で。 なるほどね…………(激重感情の余韻)

 

終始ガンアクションだらけの映画じゃなかったけど、マークが度々ボコボコにされていたり全体的に画面の血のりの量が多いのでそれはもう死んでるんじゃないですかねと心配になりながら見た。 画面が派手!

こんな映画見ておいて血のりの量とか暴力シーンにビビるなと叱られそうだが経験値が低いので結構怯えながら見た。 そんなに殴ったらだめなんだぞ。 

 

別の話

映画「RRR」がhappy storyと聞いてたのにめちゃくちゃ”暴力”で怖くて最悪みたいな記事が一瞬話題になりましたね。 

「インターネットでおすすめしていた奴らが暴力シーンあるって微塵も言わなかったのが最悪」みたいな論調で、「おすすめしてた人たち許さん」まで言ってしまったので燃えた感じ。

いま検索したら後日談があった。 おすすめしていた人たち許さんって言ったのはよくなかったですと仰られています。

 

私もバーフバリを見た時に「めっちゃ血とか首とか飛んでいるのだが!?」とビビったしそんな感じだと思わなかった派としてこの人の感情が理解できる側だが(すすめている人を許さんとは思わないが)、やっぱり血とか暴力シーンは情報なくガーって来るとワーってなって怖い。 自分がビビりなのを自覚しているので日常見る映像でそういうの避けてるしな。 小説漫画ゲームでそういうシーンがあるのはそうだし見れるが。

この方が燃えていた時に「この人いつもどんなエンタメ見てるの? 煽りじゃないですけど」系の発言を結構見て、そ……その言い分もどうだ? と思った。 恋愛ドラマばっかりですって言われたら納得するんだろうか?

普段TVで流れるエンタメを見ている分にはそんなにカジュアルに血とか暴力って出てこないし、自分はアクションシーンの流血場面には慣れているから全然大丈夫だけどダメな人もいるんだねーって……納得して分かりあってhappyになろう。